長いブランクを経て看護師として現場に復帰できたとき、安堵とともに新しいスタートへの期待で胸がいっぱいになることでしょう。しかし、いざ業務が始まると以前のように動けない自分に戸惑い、周りのスピードについていけず強い焦りを感じてしまうことがあります。これは多くの復職者が経験する自然な感情であり、決して自分だけが感じている不安ではありません。
このような焦りの根底には、無意識のうちにブランク前の自分を基準にして今の自分を比べてしまう気持ちがあります。以前はできていた手技がおぼつかなかったり、新しい機器の操作に手間取ったりする度に自分を責めるのです。ブランクがある以上、できなくて当たり前と割り切る勇気が欠かせません。完璧主義の気持ちを手放し、新人だった頃のように一つ一つ学び直す姿勢が心を楽にします。
焦りを乗り越え現場に慣れていくために大切なのが、質問力です。プライドが邪魔をしたり、忙しそうな同僚に声をかけるのをためらったりする気持ちもあるでしょう。ですが、自己判断での行動は、患者の安全を脅かすことにもつながりかねません。周りのスタッフもわかったふりをされるより、正直に質問してくれた方が安心できます。相手を気遣う一言を添えつつ、積極的に質問する姿勢を見せましょう。
復職後に感じる焦りは、裏を返せば貢献したいという強い意欲の表れでもあります。できない自分を否定するのではなく、その向上心を学ぶエネルギーへと転換していきましょう。一日一つでも新しいことを覚えたら自分を褒めるなど小さな成功体験の積み重ねが大切です。周りと比べず自分のペースで着実に成長していくことが、結果的に長く楽しく働き続ける何よりの秘訣と言えるでしょう。
